2025年3月9日日曜日

〈緊急報告〉世界初!第3の新興感染症を日本から報告

 


国立科学博物館 細矢 剛 先生の論文が BioRxiv 上に公開されました。ADRSA代表 宇根 有美 も共著者です。現在査読段階,程なく受理される見込みです。

論文タイトル

First evidence of Clavicipitaceous fungus attacking a vertebrate.

著者
Tsuyoshi Hosoya 1, Tomotaka Sato 2, Sho Kadekaru 2, Yumi Une 3

  1. Department of Botany, National Museum of Nature and Science
  2. Department of Veterinary Pathology, Faculty of Veterinary Medicine, Okayama University of Science
  3. The Animal Disease Research and Support Association
【内容】
個体数が激減しているナゴヤダルマガエル (Pelophylax porosus brevipodus) からバッカク菌科糸状菌 Metapochonia bulbillosa が分離された。自然発生例の解析と感染実験の結果から,この真菌がアマガエル同様ナゴヤダルマガエルにも致死的な病原性を示すことが明らかとなった。これらの結果は,植物寄生性とされてきたバッカク菌科糸状菌が脊椎動物の健康状態にも影響することを示す,初めてのデータである。

投稿された論文は "BioRxiv" で参照することができます。
査読段階の Manuscript ですので,最終的に Publish されるものと記述が異なる場合があります。
〈論文 Manuscript, BioRxiv〉


2025年2月9日日曜日

動物由来感染症ハンドブック2025


宇根有美 ADRSA代表理事が制作に携わった最新号が発行されました。
作成・配布    厚生労働省

専門家の先生にも十分参考になる内容です。
ご参照の上,来院される一般の方たちにもご一読をお勧めください。

当該号を含めたバックナンバー,その他関連資料はこちらからダウンロードできます。

厚生労働省サイト

[板垣 伊織]


2024年12月9日月曜日

第7回定例会

 

トピックス

トリの扁平上皮癌
  • 猛禽類の扁平上皮癌
  • ペンギンの扁平上皮癌(治療例)

開催日・時刻

2025年1月28日(火) 20:00〜21:00

開催方法

オンライン (Zoom)

対象

  • ADRSA協会員
  • ADRSAブレイン
  • 入会をご検討中の皆さま
参加希望者はADRSAまでご連絡下さい。
お待ちしています。

2024年11月27日水曜日

第6回定例会

 

トピックス

  • ハリネズミの乳腺腫瘍
  • ハリネズミの粘液腫

開催日・時刻

2024年11月26日(火) 20:00〜21:00

開催方法

オンライン (Zoom)

参加者

  • ADRSA協会員
  • ADRSAブレイン
  • 入会をご検討中の皆さま

今回の定例会はハリネズミの腫瘍性病変がテーマでした。

ハリネズミによくみられる腫瘍性病変の中から乳腺腫瘍と陰茎背部の粘液腫を取り上げ,実際の症例で得られた病理学的な情報を解説しました。

ハリネズミの腫瘍は悪性の比率が高く,注意が必要です。早期発見を治療・寛解へとつなげるには,病気の特徴をよく知ることが大切です。この動物種については今後も折りに触れて取り上げてゆきたいと考えています。

2024年11月17日日曜日

第30回野生動物医学会大会

 


標題の学術集会で自由集会を主催します。

自由集会10
国内における第 3 の新興感染症 Ophidiomycosis の現状と今後
Current Status and Future of the Third Emerging Infectious Disease,  Ophidiomycosis, in Japan

2024年10月13日日曜日

第5回定例会


ご案内

内容

  1. ハリネズミの皮膚病変
  2. ハムスターの細菌感染症
など,事例解説

開催日・時刻

2024年10月29日(火) 20:00〜 (1時間程度)

開催方法

オンライン (Zoom)

参加者

  • ADRSA協会員
  • ADRSAブレイン
  • 入会をご検討中の皆さま
参加希望の方は事務局までご連絡下さい。

2024年10月11日金曜日

【学術集会参加報告】アジア保全医学会2024

Twin Towerからみるウランバートル市街の夜景

モンゴル国の首都,ウランバートルで開催されたアジア保全医学会 (ASCM) の2024年集会に参加してきました。

17th Asian Society of Conservation Medicine Conference, Ulaanbaatar, Mongolia
"Living in Harmony with Nature: Wildlife, Human and Ecosystem Interface"

会期    2024年9月30日〜10月4日
会場    School of Veterinary Medicine, Mongolian University of Life Sciences


会場キャンパスを散策する市民

アジア保全医学会は "One Health",地球上に暮らすヒト,動物,自然環境の健康は一つにつながっている,の概念のもと,家畜・野生動物の保全に携わる人たちの団体です。毎年この時期にアジア各国持ち回りで学術集会が開催されます。2024年度はアジア各国はもちろんのこと,オーストラリア,アフリカ,ヨーロッパ,アメリカ大陸から160名を超える会員がここ,晩秋のウランバートルに集いました。

市街地公園の緑地に憩うカササギ (Pica pica)


モンゴルの広大な草原では2000年以上にわたってヤギ,ヒツジ,ウマ,ラクダなどの遊牧が営まれてきました。高山砂漠や平原の豊かな自然界と人々の営みが一定のバランスをもって
 ネットワークを構築し,豊かでユニークな生態系が維持されています。しかし近年の経済発達と人口増加,地球温暖化に伴って家畜の数が急増し,そのバランスがいま崩れようとしています。

国をまたいで伸びる石油・ガスのパイプライン,草原を横切る道路,放牧地の境を示す有刺鉄線を張った柵など,ヒトの経済活動により自然界には存在しない「直線」が急速に増えています。野生動物の行動はこの直線で制限され,変化を強いられ,また時には交通事故や柵への激突で生命が奪われています。道路を跨いだり,潜ったりする動物用通路の建設や,安全な策の模索が続けられていますが,マンパワーや予算の制限があってその成果は限定的です。

家畜と野生動物のコンタクトの機会が増加し,相互の感染症も顕在化してきました。ダニの媒介するバベシア,タイレリアによる貧血は深刻な病態を引き起こします。

人々の豊かな生活の原動力となる経済活動は止めることはできません。その豊かな果実の享受と生態系の保全は背反するニ律ではないはずです。生態系の健康は動物とヒトの健康に直結しているのです。モンゴル平原の豊かな自然は渡り鳥たちにとって貴重な経由地です。毎年多くの渡り鳥がモンゴルを経由してシベリアと東南アジア,日本を往復しています。私たち日本人もこの問題に無関心ではいられません。アジア保全医学会に参加し,アジアの現状と問題解決への取り組みに目を向けてみては如何でしょうか。来年,2025年は半島マレーシア,コタバルで開催されます。